うる星やつら めぞん一刻

「勝手なやつら」の紹介




画像引用元:るーみっくわーるど2 P39 「勝手なやつら」




■勝手なやつらって何?
「勝手なやつら」とは、高橋留美子先生のデビュー作であり、
週刊少年サンデー 1978年28号にて初掲載された。
第2回小学館新人コミック大賞の佳作受賞作である。

当時の少年誌とは言えば、男性漫画家が描くことが多かった(今もそうであるが)
そのため、女性で少年誌でのデビューは大変斬新なものがある。
男性ではなかなか表現できない女性ならではの独特な表現が話題になった。

後の代表作である「うる星やつら」の連載に繋がることになる。




■作品内容



画像引用元:るーみっくわーるど2 「勝手なやつら P47 1コマ目」



新聞配達員である主人公「ケイ」は、ある日新聞配達中に宇宙人や半漁人に拉致される。
そこで、半漁人にペット扱いされていた地球人「」と出会う。
その際、ケイは半漁人と宇宙人に地球を消滅できる程の威力がある爆弾を体内に埋め込められた。
宇宙人も半漁人も、爆弾を理由に「地球征服」を計画する。
さらに地球の防衛庁長官にも、地球を制服を守るためケイに爆弾が埋め込まれ
ケイの体内に3つの超威力をもつ爆弾が埋め込まれた。3つが誘爆を起こせば全宇宙が消滅する。
その事を知った「宇宙人」、「半漁人」、「防衛長官」の3者は「ケイ」の新聞配達を過保護に見守ることになる。





■「うる星やつら」へと引き継がれていったものとは?

@SF要素
宇宙人や半漁人と、普段の生活では見れることはない人物が登場する。
これは「うる星やつら」でいえば、「鬼星」からきたラムやラムの知り合いの宇宙人(ラン、弁天、おユキ、レイ
などがこれに当てはまる。半漁人は「だっぴゃ星人」として「うる星やつら」の作品に出てくることになる。
また、UFOや小型爆弾、小型爆弾を傷跡残さず入れる手術室などもSF要素が非常に高い。
これらのSF要素が後の作品「うる星やつら」に大きく影響する事になる。


A主役とヒロイン
主人公「ケイ」とヒロイン「茜」は、「うる星やつら」には登場しません(*1コマだけケイが出てくるのは除く)
しかし、主人公とヒロインという構図はこの時からきちんと構成されていて、
後の「諸星あたる」と「ラム」という人物へと繋がっていきます。
高橋留美子先生の作品では短い短編集であっても、多くの作品で主人公(男)とヒロインは登場されています。
これらは、「ラブコメディ」のきっかけとして重要な要素となっています。



B周囲をまきこむドタバタ世界
うる星やつら」でもお馴染である「ドタバタ感」はこの作品でも描かれています。
特に初期の「うる星やつら」では、主人公だけに限らず周りの人間をも巻き込んで
大騒動になる展開が多いですね。これは「勝手なやつら」でも描かれており、ドタバタした世界が
後の「うる星やつら」へと引き継がれています。

アニメ「うる星やつら」の初期ED「宇宙は大ヘンだ!」では
ヘンとヘンを集めて〜もっとヘンにしましょう〜♪
という歌詞があり、初期うる星やつらを的確に表現しているともいえる






■総評
「勝手なやつら」と「うる星やつら」。
名前が似てて混乱している人もいますが、「うる星やつら」そして、以降の代表作品や短編集の
ベースともいえる作品なので高橋留美子先生に興味がある方はぜひ見てほしい作品だと思います。
ドタバタした演出でありながら雑ではなく見やすさがあり
それまでの少年漫画にはみられなかった、女性ならではのセンスの良さに脱帽させられました。



実は、「うる星やつら」の作中でもたった1コマだけですが、
「ケイ」が新聞配達をしている場面があります。探してみると面白いと思います。
ヒントはおユキさん初登場にて。







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